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アニメ版キカイダーは意外にも恋愛ストーリーだった?本作の魅力3つを解説!
はい、皆さんおはこんばんちわ。今回は石ノ森章太郎先生の数ある傑作の一つで『人造人間キカイダー』のアニメーション版の『人造人間キカイダーTHE ANIMATION』のお話しです。
実写版特撮ヒーロー番組の『人造人間キカイダー』が1番知名度があると思いますが、本作は特撮版のリメイクをしたのではなく、原作漫画の方をアニメ化して再編成した作品です。
この『人造人間キカイダーTHE ANIMATION』も他の石ノ森作品にも通じる主人公が苦悩を抱えながら戦い続ける哀愁感漂うストーリーと言う点では正に石ノ森作品の真骨頂と言えるでしょう。
それで今回は
1.『人造人間キカイダーTHE ANIMATION』の
概要、およびストーリー。
2.本作の主なキャラクター紹介。
3.本作の魅力について3つ抜粋で解説!
4.『人造人間キカイダー』の意外なエピソード
について小話して行きます。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作 :石ノ森章太郎 © 石ノ森プロ http://ishimoripro.com/%E4%BD%9C%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B/?id=256
概要
「アニメ」
原作 :石ノ森章太郎
監督 :岡村天斎
シリーズ構成:面出明美
キャラクターデザイン:紺野直幸
音楽 :見岳章
アニメーション制作
:ラディクスエースエンターテイメント
スタジオOX
製作 :SPE・ビジュアルワークス
放送局:キッズステーション
放送期間:2000年10月〜2001年1月
話数 :全12話+総集編
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 © 石ノ森プロ
どんなお話し?
ロボット工学の権威である光明寺伝(実写版TVでは信彦)博士はある日、自身の研究所で、あるアンドロイドの開発作業をしておりました。そして動力エネルギーを作動させましたがアンドロイドは完全に起動するまで至らずエラーランプが点灯。
そこへ、嘲笑うかの様にプロフェッサーギルの送り込んできた1体のアンドロイドに研究所を爆破破壊されてしまいました。そして光明寺博士も行方不明になってしまいます。
翌日、研究所からほど近い光明寺邸より若い女性と少年が来ていて破壊された研究所で警察の現場検証を受けておりました。彼女は光明寺博士の娘でロボット工学を学んでいる若い女性科学者の光明寺ミツ子でした。
ミツ子は弟のマサル少年と2人であまりの惨状に途方に暮れており失望感でいっぱいでした。ただ、それと同時に父の光明寺博士はいったい全体何の研究開発をしてこんなんなったんだろう?と疑問でいっぱいでした。
ミツ子は自宅のデスクで光明寺博士の研究について調べました。なんとそこには通常では計り知れない高度なテクノロジーを持ったアンドロイドのデータが出てきました。
なんと、そのアンドロイドにはジェミニと言う良心回路が組込まれていると言うのです。それが本当ならば正に人間そのものでした。また、光明寺博士からのメッセージがPC画面に映し出され、ミツ子、ジローを頼む…とありました。
一方ある田舎道で軽トラで走っていたおじさんが運転を誤り道を逸脱してしまい、路肩から落ちそうになっていたのをギターを背負った若者がひょいと軽トラを持ち上げて元に戻したりしてました。
さらにはある少年達が遊んでいた玩具のグライダーが木に引っかかったのでそれをとってあげようとして大木をいとも簡単に折り倒してしまいました。そのパワーには青年本人も驚いておりました。少年達も恐れおののいて逃げ出してしまいました。
そんなこんなで再びミツ子とマサルが破壊された研究所跡に行くと今度はそこにダークのサイ型アンドロイドが出現しミツ子達を襲ってきます。
ダークとは悪の科学者プロフェッサーギルが率いる悪の秘密結社で世界征服を狙う恐ろしい組織です。このサイ型アンドロイドは邪魔になりうるキカイダーと光明寺の娘を抹殺しに来たのでした。
サイ型アンドロイドがミツ子達に襲い掛かってきて、そこへ間一髪の所で例のギターを背負った青年が現れ彼女達を救いに入ります。
ミツ子は直感で彼こそが父、光明寺博士の開発したジロー=キカイダーであると理解しました。そしてミツ子はジローに本来の力を解放する為、肩のスイッチを押してキカイダーに変身して戦う事を促します。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 © 石ノ森プロ
kikaider VS type sai android
そしてジローはキカイダーに変身して、サイ型アンドロイドと戦います。真の姿を現したキカイダーは持てる力を解放した状態になると無双します。サイ型アンドロイドはもはやキカイダーの敵ではなく、キカイダーはいとも簡単に敵機体を破壊し撃退しました。
その後、ジローは途中色々あってミツ子達と離れる時期もありますが、光明寺博士の捜索にミツ子達と行動を共にします。
さらにジローに搭載されている良心回路ジェミニは実はまだ未完成で完全なる良心にはなりきっておらず、プロフェッサーギルの奏でる悪の笛の音により、悪の心に支配される側面を持ち合わせておりました。しかし、ミツ子達との触れ合いで様々な感情などを学び、ミツ子ともやがて愛を育んで行き人造人間であるジローの心は成長して行くのであります。
こうしてジローは、ダークの送り込んでくる刺客のアンドロイド達と戦い、さらには強敵ハカイダーとの激闘を繰り広げミツ子達を守りながら戦い光明寺博士を探す旅を続けます。
その姿はまるで物語の冒頭に語られていたピノキオ物語そのもののようでもあります。「女神がピノキオにジェミニの言う事をちゃんと聞いて良い行いをしていればご褒美に人間にしてあげる。」と言うこの物語を一言で表した様な感じですね。
主な登場人物
『引用』「人造人間キカイダーTHEANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 © 石ノ森プロ jirou / kikaider
1.ジロー/キカイダー〜
光明寺博士が開発した人造人間。不完全な良心回路ジェミニを持ち、苦悩するが沢山の感情や愛情を学び成長をする事でやがて不完全ながら悪の心に屈しない心も作れる事を学びます。そしてミツ子との間にも愛情を育み、より人間らしさを持つように成長して行きます。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 ©石ノ森プロ
mituko koumyouji
2.光明寺ミツ子〜
光明寺博士の娘でマサル少年の姉であり、若手の美人女性科学者である。(サイボーグ009の003を日本人にした様な感じです。)
ロボットの研究開発にのめり込む父に愛憎感を抱きながらも父と同じくロボット工学の道に進んでおり、この時点でもかなりの知識を持っている。
また、後に耳に入るような光明寺家の数々の闇に触れる事となり苦悩しますが、常に寄り添い守ってくれるジローと心を通わせるようになりジローの事を愛し始めて行きます。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 © 石ノ森プロ
masaru koumyouji
3.マサル〜
ミツ子の弟。本来は明るい性格だが、母親が自身が赤子の時に家を出て行方をくらましてしまっているので母親がいない寂しさなど様々な感情からくる無力感にコンプレックスを抱き、とにかく寂しがり屋なところがあります。ジローの事は兄の様に思い大好きな様です。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 © 石ノ森プロ
professer den koumyouji
4.光明寺伝博士〜
光明寺姉弟の父親でロボット工学の権威。亡き前妻との間に生まれた息子・一郎が研究開発実験の事故により亡くなった時に一郎の恩師でもあるプロフェッサーギルと助手の女性・千草(後の後妻)から一郎の遺言を聞かされ再びロボット開発を再開します。
千草とも再婚し、ミツ子とマサルを設けるが、全ては光明寺の力を必要としたギルの計画であったことを後に知ることとなる。
そしてダークの恐ろしい野望に対抗するべく密かに良心回路付きアンドロイド・ジロー/キカイダーを開発します。その後、研究所がとっ散らかって爆破し、死亡したかに思われたが、実はダークに拉致されハカイダーに脳髄を移植されて生かされます。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 © 石ノ森プロ
hanpei hattori
5.服部半平〜
ミツ子が雇った探偵で探偵らしからぬドジな面もあるが、人情味のあるいいヤツ。助手の猿飛悦子と共にミツ子達をサポートする。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 © 石ノ森プロ
etsuko sarutobi
6.猿飛悦子〜
服部半平の助手の女性。半平のサポートをしつつ、半平同様にミツ子達を懸命にサポートする女性。何気にしっかり者で明るくひょうきんな面もあります。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 © 石ノ森プロ
professer gil
7.プロフェッサーギル〜
悪の秘密結社・ダークの首領にして悪の天才科学者。
光明寺博士の息子である一郎を一郎がアメリカ留学中に世話をし、光明寺博士に近付く為に暗殺した。
光明寺博士を巧みな手段を使いながら利用して光明寺博士の開発技術を盗み、より完成度の高い戦闘用アンドロイドを開発して世界征服を企む。目的の為には手段を選ばない残忍な性格の正にザ・悪いやつ。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 ©石ノ森プロ
saburmu / hakaider
8.サブロー/ハカイダー〜
キカイダーと同じく光明寺博士の開発したアンドロイド。人体から脳移植して起動するタイプなのでアンドロイドと言うよりはサイボーグと言えるでしょう。
キカイダーを凌駕する戦闘力を持つ。良心回路を持たないので戦闘に特化していて攻撃にも躊躇がなくハカイダーショットが武器。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 ©石ノ森プロ
chigusa sakamoto/koumyouji
9.坂本(光明寺)千草〜
光明寺博士の後妻でミツ子とマサルの母親だが実はダークのスパイ。(ギルの従順な愛人的な助手でもあった様です。)マサルを産んだ直後に姿をくらますが、数年後のある冬の日にミツ子とマサルと再開する。
プロフェッサーギルから非常な命令を受ける。そしてギルへの愛とミツ子やマサル達への愛に揺れ動きますが、悪にはなり切れず最期は母親としての愛を選びミツ子達と永遠の別れを選ぶことになる哀しい女性。
『人造人間キカイダーTHE ANIMATION』の3つの魅力を解説
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 ©石ノ森プロ
1.哀愁感漂うストーリー〜
本作の魅力は主人公ジロー/キカイダーがアンドロイドであるが良心回路ジェミニを持つことにより、喜び、怒り、愛情、哀しみなど様々な人間の持つ感情を得て色々がんばるんだけど、結局自分はどうあがいてもロボットに過ぎないと揺れ動き苦しんだりします。
それでも自身のアイデンティティに悩みながらもダークのアンドロイド群と戦い、ミツ子を初めとした人々との交流を通じて不完全なはずの良心回路ジェミニを成長させて自身の心を強くして行く所が魅力です。
2.卓越した秀逸なメカデザイン〜
キカイダーは見ての通り赤と青の縦ツートーンのカラーリングで所々透明で中身のメカがスケルトンに映し出されている他に類の無いデザインとなっております。
諸説ありますが元々は昔、学校の理科実験室などによく置いてあった人体模型がモチーフであったと伝えられております。(内臓とか筋肉とか映し出されてるややキモいやつね。)
そして赤と青のカラーリングにも意味があり、赤は情熱・活動・本能・野性・悪を表し、青は冷静・思考・知性・文明・善を表したとされております。
また、キカイダーのライバルであるハカイダーもかなりぶっとんだ発想でなかなか衝撃的なデザインです。ハカイダーの黒のカラーリングにも自身の弱さや虚勢を隠す為の意味があるとされております。
その他のダークのアンドロイドもサイ型やカマキリ型などそれぞれの生物タイプに合わせた特性を生かしたような大変秀逸なデザインになっております。
3.意外にも恋愛要素がある〜
本作の「THE ANIMATION」は先に放送された元々の「キカイダー」の特撮版と大きく違うのはジローとミツ子との恋愛要素がある事でしょう。
ジローは天才科学者・光明寺博士により、大変精巧に作られたアンドロイドで、ダークの魔の手から世界を守るためにも作られてますが、同時に良心回路ジェミニを持たせるなど限りなく生身の人間に近い存在を目指して作られております。
そんなあまりに精巧に作られたジローなので、ミツ子に対しても恋愛感情の現れからか、あまりキカイダーに変身した姿を見せたくないなどの感情を持ったり行動をとったりする場面もありました。
また、ジローは基本的に争いは好まない優しい性格でミツ子も気が付かないうちにジローに惹かれて行き、物語終盤にはそんな描写も色々ありました。彼女も最後の方は本当に好きになってしまってました。
そんなアンドロイドと人間の恋愛など禁断感のあるストーリーもピノキオ物語とある意味掛け合わせたようなところも本作の魅力と言えましょう。
『引用』「人造人間キカイダーTHE ANIMATION」
原作:石ノ森章太郎 ©石ノ森プロ
kikaider & mitsuko
『キカイダー』は意外なとこで大人気
こちらは実写版『人造人間キカイダー』の方ですが、意外なところで大人気になりました。それはハワイなんです。
ハワイの30〜40代の男性達は「電流火花が〜体を走る〜♪」の歌いだしで始まる実写版キカイダーのOP主題歌がだいたい歌えるレベルだそうです。日本で放送終了後の1973年に英語字幕を付ける形での放送で大人気になりました。
さらに日本語TV局のKIKU-TVでは最高視聴率24%を記録し、当時ショッピングモールで開催されたサイン会にはまさかの1万人が殺到したので集まり過ぎのため、やむなく中止になった位爆発的なキカイダーブームが巻き起こってたそうです。
さらに独特な哀愁感あるストーリーも手伝ってか本来特撮番組を見る年齢層ではない若者達にも浸透していき、地元のディスコクラブにも主題歌「ゴーゴーキカイダー」がかかってたそうです。
それはハワイ州最大の博物館である「ビショップ・ミュージアム(BishopMuseum)」に記録されております。ハワイの音楽史のコーナーにてエルビス・プレスリーなどのレジェンドに混じってレコードジャケットが展示されております。
『引用』https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c93714c5b91c3cb7c08f6850138dce5a5b499b87
さらにはハワイにはキカイダーの名を冠した特別日が2日存在します。
ハワイ州カエタノ知事により2002年4月12日を「ジェネレーション・キカイダー・デイ」
マウイ市長により2007年から5月19日を「キカイダー・ブラザーズ・デイ」として制定されております。
これ以外にも『人造人間キカイダー』、続編の『キカイダー01』にて主人公を演じた俳優の伴大介さん(キカイダー/ジロー役)、池田駿介さん(キカイダー01/イチロー役)がハワイにて名誉市民に認定されております。
なぜ特撮ヒーロー俳優が外国で名誉市民になったの?って思いますが、どうやら『キカイダー』を観て育った子供が道徳的に成長したとの評価がされ、TVの中では善と悪の狭間で葛藤するヒーローが描かれており、何が良い事で何が悪い事なのかを子供達に訴えた内容であった事が教育的な知見で評価された様です。
日本人として大変名誉で嬉しいですね。
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まとめ
◉『人造人間キカイダーTHE ANIMATION』はTV特撮版『人造人間キカイダー』とは違う漫画版を再編成したもう一つの物語。
◉『人造人間キカイダーTHE ANIMATION』は哀愁感いっぱいのSF版ピノキオストーリー。
◉本作はメカデザインが秀逸でそれぞれ奥深い意味があります。
◉『人造人間キカイダーTHE ANIMATION』は意外にも切ない恋愛ストーリーでした。
◉実写版特撮の『人造人間キカイダー』の方はハワイでも大人気で主題歌レコードが博物館に展示されたり、特別記念日が制定されたり、主演俳優さんが名誉市民にも認定されました。
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