『宇宙戦艦ヤマト2199』38年ぶりのTVリメイク版を解説!

SF作品

『宇宙戦艦ヤマト2199』のストーリーやリメイク版ヤマトのスペックなど本作の魅力を解説!

はい、今回は『宇宙戦艦ヤマト2199』と言う『宇宙戦艦ヤマト』のTVリメイク版のヤマトのお話しをしていきたいと思います。ヤマトよ永遠にREVEL3199が上映間近(2024年7月19日)ですがまずは2199からでしょ。って事で新ヤマトのスペックなども含めて本作の魅力や旧作との相違点などについても小話して行きます。

この作品は松本零士先生が描かれて1974年に読売テレビ制作で日本テレビ系列で放送され、後に社会現象に至るほどのヒットとなったヤマトシリーズの『宇宙戦艦ヤマト』第1作を原点とするテレビシリーズで2012年当時は38年ぶりとなるリメイク作品であり、完全新作アニメーションとして制作された作品です。

『引用』「宇宙戦艦ヤマト2199」原作:西﨑義展
宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会

概要

『宇宙戦艦ヤマト2199』

「アニメ」ーSFアニメ

原作  :西﨑義展
総監督 :出渕裕
シリーズディレクター:榎本明広
シリーズ構成:出渕裕
キャラクターデザイン:
     結城信輝、山岡信一(ゲスト)
メカニックデザイン:
     玉盛順一郎、石津泰志、
     山根公利、出渕裕
音楽  :宮川泰、宮川彬良
アニメーション制作:XEBEC、AIC
製作  :宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会
放送局 :MBC・TBC系列
放送期間:2013年4月7日〜9月29日
話数  :全26話

『宇宙戦艦ヤマト2199追憶の航海』

「映画」

監督  :加戸誉夫
制作  :宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会
封切日 :2014年10月11日
上映時間:130分

どんなお話し?

西暦2199年、地球は異星国家「ガミラス」と数年にわたる星間戦争を行っていました。

圧倒的な軍事力を持つガミラスの前に地球艦隊は壊滅寸前に陥り、さらに地球は遊星爆弾を用いた爆撃により、地上が汚染されて人類は地下都市へ追いやられ、地上の汚染は地下にまで浸透し人類滅亡まであと1年と迫っている状況でした。

そんな中、地球はガミラスとは異なる異星人の惑星「イスカンダル」からの技術供与を受け、恒星間航行可能な外宇宙用戦闘艦「宇宙戦艦ヤマト」を完成させました。

そして、イスカンダル女王のスターシャ・イスカンダルよりイスカンダルに存在する汚染浄化システム「コスモリバースシステム」を受け取るようにとのメッセージを受け、ヤマト艦長沖田十三の下、古代進、島大介、森雪ら乗組員を乗せたヤマトは、人類滅亡の危機を救うべく16万8千光年彼方の大マゼラン銀河の惑星イスカンダルへ往復33万6千光年の航海に挑むこととなります。

この宇宙戦艦ヤマトはこれまでの地球防衛艦隊の戦闘艦とはケタ違いの艦で、イスカンダルの技術がふんだんに盛込まれて完成された艦でした。

次元波動エンジンや次元波動爆縮放射機(波動砲)、ワープ機能や波動防壁シールドなども備えられており、圧倒的な航行能力、圧倒的な防御力と圧倒的な攻撃力を備えており、ヤマトに襲いかかってくるガミラスの艦艇を次々と葬り去って行きました。

とはいえイスカンダルまでの道のりはまだまだ遠く、ヤマトと地球の運命やいかに…と言った感じで物語はヤマトと乗組員らの激闘と共に進んでいくのであります。

旧宇宙戦艦ヤマトと2199ヤマトとの相違点はどんな感じ?

1974年に放送された元祖の旧宇宙戦艦ヤマトと2012年発表のリメイク版宇宙戦艦ヤマト2199とは旧ヤマトを踏襲しつつ結構よりいい方向での相違点がありますね。

『引用』「宇宙戦艦ヤマト2199」原作:西﨑義展
    宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会

まず、1974年旧作との違いで2199ヤマトは現実に則した設定にもこだわって描かれている点がまずあげられます。

旧ヤマトと2199ヤマトとの主な相違点

1.〜艦体サイズの違い

旧作では第二次世界大戦時に沈んだ戦艦大和の残骸からの改造でしたが2199では戦艦大和の残骸に偽装して建造しました。

それに合わせて艦体の大きさも旧作では全長265.8mと実際の戦艦大和の全長263mと保々同サイズにしてましたが、リメイク版2199ヤマトは333mとされております。これにより、旧作の艦載機の搭載数に対して艦体のサイズが小さすぎると言う矛盾を解消しております。

2.〜組織が現実的に則してきっちりしてる

また、ヤマト乗組員の所属名や階級を実際の自衛隊組織のように変更や細分化しておりますのも特徴でしょう。軍隊式の大佐、少尉、軍曹といった階級ではなく、一佐、三尉、宙曹となっております。

さらに艦内勤務も旧作では主要キャラが出ずっぱりの状態でしたが、2199ヤマトでは現実味のある三交代制が取れるように制定しております。

加えて森雪が旧作で複数のポジションを兼務しているのは無理があるので女性新キャラなどを数名加えて現実味のある勤務体制が取れるようになっております。

3.〜ガミラスが地球侵攻に使った汚染物質
  の変更

ガミラスが地球汚染に用いた物質を放射能物質から環境改造用植物の有毒胞子へと変更。

4.〜ガミラスホーミングと言う用語も設定。

ガミラスに併合された惑星国家の人で肌の色がガミラス本国人の青色でない民族も存在し地球人のような肌の色をしている。これもまたある種のリアリティにこだわった部分と思われます。

5.〜大マゼラン銀河への呼称変更も

旧作品では大マゼラン星雲として渦巻きに描かれておりましたが、現代では大マゼラン銀河という呼称となり棒渦巻き状になってるのでそこも現在の時代にマッチした形に改められてます。それに伴い14万8千光年から16万8千光年へ変更されました。

6.〜主力艦載機が変わった。

旧作ではブラックタイガーが主力艦載機でありましたが、2199ヤマトではコスモファルコンになりました。デザインはブラックタイガーのシルエットを踏襲しつつもより洗練されたメカデザインになってます。古代進の搭乗するコスモゼロも同じくよりカックイイデザインになって新登場してます。

7.〜双方の政治的事情もリアルな描写

旧作では政府の方針としてヤマトをイスカンダルに向かわせている為に反対勢力は存在しなかったが、本作2199では政府も一枚岩ではなく地球脱出計画(イズモ計画)を推進するグループがヤマトがイスカンダルに行く事をよく思わない勢力が存在していて実際の国家の様にリアルに描かれてます。

一方のガミラス側も全ての国民がデスラーに忠誠を誓っているわけでなく、彼を暗殺しようとか思ってる者がいたり、反旗を考えるような者達もいました。

また、敵のガミラス方の軍人にも家族がいてそこには帰りを待つ妻がいて幼い娘がいてとか実際の私達の世界にも置き換えられた様な人間模様がリアルに描かれております。

総じて単純に0か100では物事を表現していないのも本作の特徴の1つでしょう。

『引用』https://yamato2199.net/index_tv.html
原作:西﨑義展「宇宙戦艦ヤマト2199」
宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会

2199版宇宙戦艦ヤマトのスペック

ここでは2199ヤマトのスペックを「宇宙戦艦ヤマト公式設定資料集」に基づいて主な武装や防御の仕組みなど解説します。

艦種:超弩級宇宙戦艦
識別番号:BBY-01
全長:333m
艦体幅:43.6m
最大幅:61.77m、安定翼展開時87.72m
艦体高:94.54m
最大高:99.47m
最大速力:亜光速
乗員:999人
主機関:ロ号艦本イ400式次元波動缶(通 称波動エンジン)×1基
副機関:艦本式コスモタービン改×8基
    ・2軸(核融合推進方式)

兵装 :

『引用』「宇宙戦艦ヤマト2199」原作:西﨑義展
宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会 wave cannon

次元波動爆縮放射器(200サンチ)
   (みんなが大好き通称、波動砲
次元波動エンジンの爆縮によって内部で発生したマイクロブラックホールのホーキング輻射によって膨大なエネルギーを生成する事ができ、波動エンジンのエネルギーを120%まで上昇させそれらエネルギーをタキオン粒子に変換して膨大なエネルギーを放射する兵器である。

旧作では単に決戦兵器と言う扱いでしたが、本作では物語の根幹にも直結する危険な兵器とされております。

・主砲 48サンチ三連装陽電子衝撃砲
    3基×9門
  (一撃でガミラス艦を粉砕する威力)
・副砲 20サンチ三連装陽電子衝撃砲
    2基×6門
  (一撃でガミラス艦を大破させる)
・対空火器
 12.7サンチ四連装高角速射光線砲×8基
・8.8 サンチ三連装高角速射光線砲×4基
・12.7サンチ連装高角速射砲塔×8基
・7.5 サンチ連装高角速射光線砲塔×10基
・7.5 サンチ三連装光線機関砲塔×4基
・艦首魚雷発射管×6門
・艦尾魚雷発射管×6門
・舷側短魚雷発射管×16門
・煙突ミサイル×8セル
・艦底ミサイルVLS×8セル
まだ他多数ありますが少しハブります。

防御 :

波動防壁と外殻装甲と隔壁

波動防壁
イスカンダルから供与された技術により波動シールド装甲を形成する技術。元は機関内のみ使用可能なのがガミラスでは一般的でしたが、イスカンダルの技術により出力が極めて強大化し、艦体丸ごと覆う事が可能になりました。

この技術供与以降はヤマト以外の艦でも次回作2202の第2世代宇宙戦艦アンドロメダやドレッドノート級主力戦艦やこんごう型の第1世代主力戦艦までもシールド系装甲を手に入れました。

波動防壁は耐圧限界や最大20分間は光学物理防御壁を張り巡らす事が可能。これにより武装を破壊される事なく戦闘を継続する事ができるようになり、敵艦からの先制攻撃を多少被弾しても無効化します。

物理外殻装甲
外郭装甲を厚く全方位に設置する事で波動防壁などのシールド系装甲を突破されたとしても貫鉄されにくくしている。

シールドの強い艦橋付近は推定300〜350㍉、波動コイルの設置箇所でない場所は1000㍉以上の重装甲で、上面部は450〜1900㍉で平均1000㍉厚を施されております。下面部は保々まんべんなく1000〜2000㍉の超重装甲となっております。

隔壁

シールドとさらに外殻装甲が破られた場合、隔壁構造により艦内のダメージコントロールを可能にしております。

艦内の隔壁各区画を気密、水密化を高くし、ダメージに応じて遮断する事でダメージコントロールをして他の区画を守る構造にしているのであります。

これらの防護システムにより、旧作の主人公側のメカだから壊れない御都合主義なんだと言う意見を払拭しています。

艦載機 :

『引用』「宇宙戦艦ヤマト2199」原作:西﨑義展
宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会 cosmo zero

コスモゼロ(古代進、山本玲の搭乗機)

『引用』https://yamato2199.net/
「宇宙戦艦ヤマト2199」原作:西﨑義展
宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会 cosmo falcon

コスモファルコン(加藤らの乗る主力戦闘機)

・コスモゼロ     2機
・コスモファルコン  32機
・分解された予備機体 4機
・空間汎用輸送機SC97コスモシーガル 2機
・100式空間偵察機  2機
・90式内火艇     2隻
・特2式多目的換装車  6両

戦闘機の格納方法は波動エンジンの外縁部にリング状に沿って設置され立体駐車場みたく配置されているのでこれだけの機数が搭載可能であると緻密に設計されております。

なので2199ヤマトはこのサイズになりました。

メカデザインもより洗練されてカッコよく仕上がってて思わずプラモを作りまくって軍にして会社の机に並べたいレベルです。

さらにキャラクターも新しい魅力的なキャラクターが敵側も味方側も沢山登場して作品を彩ってくれてます。古代進もよりイケメンに、森雪ちゃんもよりスタイル抜群の美人になって再登場してます。
尚且つ、昭和の森雪ちゃんは大人しめ美人でぶりっ子気味でしたが、2199森雪ちゃんは強気で男前な女子に進化してます。

『引用』「宇宙戦艦ヤマト2199」
宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会

まとめ

◉宇宙戦艦ヤマト2199は38年ぶりに制作されたTVアニメシリーズのリメイク版作品。

◉2199ヤマトは松本零士先生の描かれた1974年ヤマトの魅力を踏襲しつつ、メカニック面だけでなく政治面、組織面、敵味方の人間模様などよりリアリティある作品に発展させた秀逸なリメイク作品。

◉2199ヤマトは基本的にガミラス側の侵略戦争が発端ですが決して0か100かでは物語を構成していない点も特徴です。

◉出渕監督はじめ製作委員会の皆様の熱量が半端なく感じとれる作品です。

実際に我々の生きている現代でもレールガンやレーザー兵器なども完成したりしている時代になってきました。そのうち本当に宇宙戦艦が就役する時代もあるかも知れませんね。もちろん戦争は絶対にだめですが本作品はその辺のところもしっかり訴えているのでまだ観たことない方はぜひ観てみてほしい作品です。


 


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